裏切る子たち
Aちゃんグループには人の悪口ばかりいう子が集まっていた。
自分たちが気に入らない事があるとすぐに「ちょっと、あれ見て。」と顎と目線で合図していた。
その声が聞こえると「自分じゃないよね?」とみんな横目で確認するようになる。
何がきっかけでいじめられるか分からない。
せっかく終わったと思ってもまたすぐにターゲットにされることもある。
Aちゃん達は、自分たちがいじめている子と話をしている子にも目をつけるようになった。
いじめられている子はみんな、必ずと言っていいほど裏切る。
Aちゃん達は「ねーねー、さっき○○ちゃんと何話してた?」と、いじめている相手に聞く。
いじめられている子は「○○ちゃんがAちゃん達の悪口を言ってきた。」と答える。
それでもうターゲットは変わる。
いじめられていた子はいじめっ子側に付く。
そのうち、いじめられている子と話をする子はいなくなり、一人で耐えられない子は学校を休み、退屈なAちゃん達は次のターゲットを探す。
これが繰り返されていた。