この学校には友達はいなかった
いじめられる子はいつもだいたい同じでその中に私も入っていた。
今日はみんな仲良くしてくれるのか?それともいじめられるのか?
学校に行ってみないと分からない。
いじめられている時に泣いている子も、いじめる側になると容赦なくやってくる。
仲良くしていてもどうせすぐにまた自分の番が来るのにと思っていた私には、その子たちが惨めに思えたし軽蔑していた。
話しかけられれば話をするし普段は普通に過ごしていたが、はっきりと私は誰の味方もしないし、誰かの喧嘩にも関わらないと常に言っていた。
どのみちいじめられる時はいじめられるから。
ある時、無視をされて1週間が経った頃、Aちゃんグループに呼び出された。
行くと10人以上の子が私を囲んで来た。
「ばーか!死ね!」等の暴言と一緒に、蹴ってくる子、手で押してくる子がいた。
こんな時Aちゃんは決まって一歩後ろでニヤッとしながら見ている。自分は何もしないし何も言わない。
他の子なら、ここは泣くところ、泣かない私に向かって「泣け!」「無視されとるのに平気な顔して学校に来るな!」「泣いて学校でも休めば許してやる!」色々言ってきた。
心の中で「一人で何も出来ないくせに!」と思いながら、ただ黙ってAちゃんを見ていた。
無表情でただ自分をジッと見ている私に何か思うことがあったのか、突然Aちゃんは一人の子の耳元で何かを言った。
「もう、帰っていいよ。」その子が言って、みんなを連れてその場からいなくなった。
次の日の朝学校に行くと「おはよう。」と声をかけられた。
またいじめる相手が他の誰かに変わったんだと分かった。